記帳の遅れが招く“経営リスク”──黒字倒産は帳簿の曖昧さから始まる
黒字倒産の多くは「資金繰りの管理不足」。原因の根本は、ほぼ例外なく“記帳の遅れ”です。会計データが1ヶ月・2ヶ月遅れている企業は、未来の資金流れを把握できず、気づけば資金ショート寸前という状況に陥ります。
特に支払いサイトが長い業種(建設・制作・広告・ECなど)は、売上が計上されても入金が2〜3ヶ月後。記帳が追いついていなければ、手元資金がいくら残るのか、どのタイミングで資金が詰まるのかを見誤ります。
また、補助金・助成金申請でも記帳遅延は大きな不利益を生みます。月次試算表が提出できない、固定費の根拠が曖昧、売上推移の説明ができない──こうした事例は採択率を著しく下げます。
さらに、記帳遅れは社内オペレーションの質にも影響します。
- 正しい原価計算ができない
- 広告費の投資対効果が分析できない
- 在庫回転率が見えない
- 人件費比率が最適化できない
つまり、記帳が遅れている企業は「どこで利益が出て、どこで損をしているか」を把握できない状態です。
経営者が最も避けるべきは「数字が曖昧な経営」。記帳はその曖昧さを排除し、黒字倒産を遠ざける唯一の方法です。


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